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公的介護保険では賄いきれない介護費用

初めに内閣府の過去の調査結果になりますが、2012年時点で認知症患者の方は462万人いたのですが、現在の有病率が増加しており、2025年には、約700万人まで増加見込まれるといわれております。昨今、平均寿命は延びる一方で、認知症や介護が必要となる病症なども増え、体の衰えにともない人生における介護の時間も増えていることも認識すべきです。

よって、我々が考えるべきことは、老後生活の先にある介護も見据えた将来設計が必要なのです。そのためには、介護者になった場合、どれくらいの費用が発生するか事前に把握することが重要になります。

そこで、今回は、介護に関わる費用がどれくらい発生するのか、ご説明いたします。

要介護状態になった場合、必要な初期費用額の分布は図にある通りです。具体的には、住宅の改修や、車いす・特殊寝台、ポータブルトイレなど福祉用品の購入や貸与などですが、これらは公的介護保険の対象となるものがあるため、事前に確認が必要です。

また、要介護状態になった場合の月々の費用の平均は17.2万円とされており、これに介護を必要とする平均168.5か月(14年1か月)を掛けると、約3000万円が必要となります。介護保険で利用できるサービスの内容は、利用者の生活環境や要介護度によって異なるので、3000万円という金額は絶対にかかるものではありませんが、身体状態や家族の関わり方によっては介護保険で受けられるサービスだけでは足りない場合も。自己負担となる介護保険適用外のサービスを利用する場合も考えられるので、そのための備えも必要です。本記事では、想定される介護適用外のサービスの概算となる費用をとりまとめましたので、参考にしていただけますと幸いです。

次回の記事では、これらのサービスを検討するうえで、介護に関する「親子とのコミュニケーション」の重要性をご紹介させて頂ければと思います。

<介護保険適用外のサービス利用料> 

【日中独居の高齢者の生活援助】利用者が健康な家族と同居していると、生活援助のサービスは介護保険では利用できない。料理や掃除、洗濯などをヘルパーに依頼すると、1時間2,000~3,000円かかる。

【通院介助】車での移動中や、受付・診察・会計での待ち時間、診察時間はすべて介護保険適用外で、全額自費。ヘルパー料とタクシー代などで、2時間で約8,000円が必要。

【認知症】徘徊している利用者をヘルパーに探してもらう場合は、全額自己負担。
徘徊などで利用者不在のためヘルパーをキャンセルするとキャンセル料もかかる。
グループホームへの入所は要支援2から利用可能だが、月20~30万円かかる。

【入院中の介護】医療保険適用中、付き添いをしてもらうヘルパー料は全額自己負担となる。

【住宅改修】自宅に手すりを付けたり、段差を解消などの工事には、介護保険の利用が可能だが、20万円までが対象。それを超えた費用は全額自己負担となる。

【施設入所】寝たきりや認知症の悪化により、在宅介護が困難で、特別養護老人ホームや老健などの施設に入所する場合、施設での居住費や食事、日常生活費は全額自費。課税世帯の場合は、月額約20万円かかる。