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親子でよく話し合い介護費用の備えを万全に

 介護保険は非課税世帯と課税世帯とでは、大きな隔たりのある制度です。非課税世帯は保険料や利用料の軽減が受けられますが、課税世帯はあらゆる軽減制度の対象外となります。 
 その判別は住民税によるため、年間160万円の年金収入でも、扶養控除等の申告をしなければ、課税世帯となるので注意が必要。とはいえ、どちらにしても高齢者世帯の平均所得は約300万円。夫婦どちらかが要介護状態となって、月額20万円の介護費用が生じた時点で生活に支障を来たします。

 そのため、子育て世代の皆さんは親御さんが健康なうちに、親が課税世帯かどうか、介護費用を賄える資産があるかなどを確認して、将来についてよく話し合っておくことが必要です。
 また、その際、家計を見直して、必要なら民間の介護保険に親子で加入するのもいいでしょう。老後の備えを親子で万全にしておくことで、いざ親の介護をすることになっても安心して子育てに臨めますし、将来、自分の子どもたちに自らの介護への不安を抱かせないことにもつながるからです。社会の高齢化が進む中で、介護はいまや社会全体で取り組まなければならない問題ですが、まずは自身のできる備えを万全にすることが大切です。

 今回、本当にあった介護でのトラブルの事例を記載しております。事前にコミュニケーションをとることで解消できることも多いので、ご参考までにケーススタディーをご覧いただければ幸いです。

 次回以降は、具体的に資産運用についてお伝えさせていただきます。

【本当にあった介護事例】

ケース1

元大工の父親を持つAさん。ある日、階段から落ちたことをきっかけに父親が認知症を発症し、兄弟で話し合い特別養護老人ホームへ入所させた。ところが、父親が介護保険料を滞納していたことが判明し、当初、月6万円で入所できると聞いていた費用が月42万円かかるといわれてしまった。利用月の4か月後に保険適用分の7割が払い戻されるが、それまで約170万円を立て替えることになった。結局兄弟で10万円ずつ仕送りをすることになり、専業主婦だったAさんの妻も働くことに。

ケース2 

85歳の要介護1の父親と、80歳の母親を持つBさん。母親が脳卒中で倒れ、退院後は認知症を発症。夫婦二人だけで自立した生活はできなくなった。母は要介護2と認定されたが、介護保険の支給限度額を超えたサービスは全額自費。そのため、介護保険適用外のヘルパーやショートステイの費用が月40万円にも膨らんだ。支払いが大変なので、介護度を上げてもらう申請をしたが、父親も母親も自力でトイレに行くことが可能だったため却下されてしまった。